ずっと消えない約束を、キミと〜雪の降る海で〜
「……話があるんだ」


低い声で告げられた途端、あたしの中に嫌な予感が走り抜けた。


その直後、感じていた不安をより色濃くするかのように、背中から吹く海風が強くなった。


「俺……」


「まっ、待って!」


話を始めようとした雪ちゃんを慌てて遮った後、考えるよりも先にそのまま続けていた。


「今日は、先にあたしの話を聞いて欲しいの!ずっと会えなかったから、話したい事がたくさんあってね!テストの結果とか!それにね、あたしパソコンの勉強始めて──」


「渚」


笑顔で必死に話すあたしを、また雪ちゃんが低い声で遮った。


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