それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜


「元気ないねぇ」


浅野先輩が、穏やかなまなざしを向けてくれているのがわかる。


腕を組んで、わたしの次の言葉を待ってくれている。


わたしはもう一度、息を吐き出し。


「……最低です」


「え?」


「わたし、最低です。

 ……わたし、気づいちゃったんですよね。自分の気持ちに」


浅野先輩は、ん?と小首を傾げてしばらく考えた後。


「……あ。ひょっとして。根岸の、こと?」


わたしは苦笑しながら、頷いた。

< 153 / 305 >

この作品をシェア

pagetop