それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
「どうした?」
先輩の鼓動が聞こえる。
トクン、トクンと、波打っている。
先輩の問いに、わたしは、ただ首を横に振ることしかできなかった。
温かい。
先輩の胸、温かい。
温かいから、つらい。
離れたくない。
だけど、自分から離れなくちゃ。
じゃなきゃ、よけいにつらいから。
わたしは、先輩の体から自分の体をそっと離した。
そして、涙を拭い。
「安心しました。先輩の話聞いて。わたし、ちゃんとご飯も食べますから」
そう言って、無理やり笑顔を作った。