それから。〜不機嫌な先輩と不器用恋愛〜
翌日、美術室に行くと、根岸先輩が一番乗りで来ていた。
根岸先輩の視線は、大きなキャンバスと不規則に並べられた大量のビンの間を、交互に行き来している。
前髪の隙間から見えるその目は、相変わらず鋭くて、ぞくっとしてしまう。
『あいつが人物描いてるとこ、見たことないんだよね』
生川先輩の言葉は、ふと頭によぎった。
ビン、かぁ……。
「なにじろじろ見てんだよ」
わたしの視線に気づいたのか、根岸先輩にぎろりとにらまれた。