ニューロティック・宴(エン)

件名:覚醒

あんな感覚・体験は
生まれて初めてだった。


ゾンビになった両親を
見た瞬間、
心のはるか地平線から
無数の言葉が
凄い勢いで
溢れ出してくるのが
分かった。


これまでの詩織という
人格がバラバラと
崩れていき、
それと同時に新しい
詩織という人格が
組み上がっていく。


わたしはその新しい
詩織の人格の上に立ち、
世界の
ありとあらゆる事が
はっきりと理解
出来る感覚。


言葉を自由に
操ることが出来る。


それと同時に、
感じたことのない
感情が溢れだし、
それを
コントロールするのは
少し難しい
くらいだった。


わたしは
味わったことのない
興奮に包まれていた。
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