恋人は王子様!?



「菫ちゃん」


「はい」


「あの時は…ごめんなさいね」


「えっ?」


あの時…


「裕則が…酷い事を云ったこと」


「……」


「…菫ちゃんが、まさか聞いてるなんて思ってなかった。…傷ついたでしょう?」


「……」


「あれは…裕則の本心なんかじゃ勿論なかった」


「えっ?」


「私…知ってたの。裕則は私じゃなく他に大切な人…菫ちゃんがいることを」


「……」


「でも、あの時は菫ちゃんは中学生だったし、まさかって…でも、裕則は私といても私を見てなかった」


「……」


「私と二人で会ってる時より三人で会ってる時の方が裕則は幸せそうだった」


「そ、そんなこと」


「ううん、お邪魔虫は菫ちゃんじゃなく…私だったの」


「由美さん」


「菫ちゃんにしたら、裕則はお兄ちゃんで、裕則の気持ちなんか分からなかっただろうし」


「……」


由美さんはニコッと笑い


「いずれ菫ちゃんにも、年相応のボーイフレンドが出来るだろうし、そしたら、裕則も諦めて私を見てくれるかなって」


「……」




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