恋人は王子様!?
「私には何ともない振りしてみせてたけど…バレバレ」
「……」
「よっぽど私が菫ちゃんに連絡取ろうかと思ったわ…でも、連絡先も知らないし…そんな事をしても裕則は喜ばないだろうし」
「……」
「だから、私からサヨナラしたの」
「えっ?」
「解放してあげたの。って私も限界だったし…私を見てくれない裕則といるのが…荒れて壊れていくのを見れなくなった。私からサヨナラしたのに……裕則は私に謝ってくれた。…だけど元はと云えば私のせいだし」
「ち、違う。由美さんのせいじゃない」
「フフフ…ありがとう…でも、やはり私にも責任はあるの。あんな事を冗談でも云わせたんだもの」
「も、もう気にしてないから…裕ちゃんも謝ってくれたし」
「裕則に会ってくれたの?」
「はい、二年半振りに会いました」
「二年半…」
由美さんの顔が少し曇ったような…
「はい」
「二年半も…掛かったんだ」
「えっ?」
「菫ちゃん…ごめんね」
「な、何で由美さんが謝るんですか?由美さん、何もしてない…」
ほんと、何で私に謝るの?
分からない。