恋人は王子様!?



「菫」


「裕ちゃん、寝てなきゃ駄目」


裕ちゃんが、後ろに―


「お前のせいじゃないから。俺が勝手に風邪引いただけだから気にすんな」


「裕ちゃん…で、でも、夕べ電話してたら」


「電話もらっても、夜遅くだからどうしようもないだろ。返ってお前が心配するだけで…その方が俺が辛いから…な、今こうして来てくれたんだ、それで充分だ。変な事考えんな、いいな」


「う、うん」


裕ちゃんに抱き着いた。


「菫…移るぞ」


「大丈夫だよ。そ、それに裕ちゃんの風邪なら移ってもいいよ」


「バ~カ!いいわけねえだろ」


頭をコツンとされた。


「さっ、ベッドに戻って」


水枕を持ち、裕ちゃんの手を引っ張って寝室へ連れて行く。


水枕を置いて、寝かせ


「何か食べた?」


「いや、食欲ない」

「駄目だよ、食べなきゃ。お粥なら食べれるよね?作るから」


「…お前、作れんのか?」


し、失礼な


「作れるわよ」


「ハハハ…悪い」


「じゃあ作ってくるから寝ててね」


「あぁ」


布団をかけ直し、台所へ―



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