恋人は王子様!?



「菫」


「うん?」


腕を引っ張られて抱き寄せられた。


「裕ちゃん」


「暫く…このままで」


「…うん」


――





「ありがとな、充電が出来た」


「うん…私もだよ」

ピンポーン


「あ、たぶんお父さんだ」


インターホンに出て


「はい」


「菫か?」


「お父さん、ありがとう。今降りるね」

「あぁ」


後ろに裕ちゃんが―


「じゃあ 帰るね」


「ん。今日はありがとな。お前も帰ったら、手洗い、うがいをして温かくしてろよ。移ってたら大変だから」


「大丈夫だよ。…キスしてないし」


赤くなっちゃった。

「ハハハ…風邪が治ったら、いっぱいしてやるよ」


「……」


「ハハハ…」


恥ずかしい。


「じゃあ行くね」


「あぁ」


玄関先で


「じゃあね」


「ん」


「裕ちゃん」


「ん?」


背伸びして、裕ちゃんの頬にキスをする。


「お休みなさい」


驚いてる裕ちゃんを置いて、玄関を出る。



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