恋人は王子様!?



「先生」


「大丈夫か?」


「あ、はい」


慌てて体を起こす。

「今、保健の先生とも話してたんだけど、気がついたなら送って行く」


「へっ?あ、ひ、一人で帰れます」


カーテンを開けて、保健の先生が


「あら、気がついた?よかったわ。もう遅いから蓮見先生に送ってもらいなさい。途中で倒れたら大変だから」


「いえ、一人で」


「駄目駄目、貧血を甘くみちゃ駄目よ。今日は送ってもらいなさい、ね。蓮見先生、お願いします」


いつの間にか、鞄も此処にあった。


「じゃあ篠原、行こうか?」


先生をキッと睨み、靴を履く。


支えようと手を出してくれるけど、無視。


「クッ」


苦笑いしてるし。


ほんと、腹が立つ。

保健の先生に


「お世話になりました」


「菫ちゃん、一回お医者さんに行きなさいよ」


「はい」


「受験勉強で大変なのは分かるけど体を壊したら何にもならないわよ」


「はい」


「じゃあ蓮見先生、お願いしますね」


「はい」


「じゃあ菫ちゃん」

「さようなら」


挨拶をして保健室を出る。





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