恋人は王子様!?



車を止めて


やっぱり他にも来てる人達いるんだな。

何台か止まってる。


「寒いから車の中からでいいか?」


「うん」


確かに…外に出てる人はいない。


だって寒い!


「綺麗だね」


「あぁ、春つっても寒いし空気が冷たいから澄んでるし…な」


「うん」


二人して暫しぼぉ~と見てた。


「あの灯りの下にみんなが生活してるんだね。でも、此処から見てたら、そんなこと感じないね。色んな色の灯りで別空間みたい」


「何か見てたら怖くなるね」


「怖い?何が?」


「う~ん、恐怖とかじゃないのよ。あの灯りだって電気の集合体で…みんな別々の物なんだけど、此処から見てると一つの纏まりってか、見事に調和してるじゃない?その調和の美しさがね、綺麗だからちょっと怖いかなって」


「綺麗過ぎて怖いか!菫らしいわ」


私らしいって…


裕ちゃんは私をどんな人間だと思ってんのよ。


「菫」


「うん?」



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