恋人は王子様!?



*蓮見裕則side*


「蓮見先生」


「あ、何でしょうか?」


職員室に戻ると、岡野先生に声を掛けられた。


「英語の試験なんですが、篠原菫は何点でしたか?」


菫の?


調べなくても分かってるが、一応調べるふりをして


「80点です」


「う~ん」


「どうかしたんですか?」


「いや、篠原は〇〇大を志望してるんですが、あそこは英語の論文があって…これが結構難関なんですよ」


確かに…


菫は〇〇大を受けるって云ってた。


心配はしてるんだが…


俺には教わらないと云ってたし。


「蓮見先生、悪いんですが、補講を頼めませんか?」


「補講…ですか?」

「受験対策なんですがね。あれくらいのレベルのところを目指す生徒の苦手科目を補講するんです」

「はい」


「篠原は後の科目はクリアしてますから…英語だけなんです。お願い出来ませんか?」


お願いも何も、俺がやらないで誰がやる。


「えっと、何人程…」


残念ながら菫一人じゃないだろう。


「篠原だけです。他も英語が苦手はいますが、受ける大学が違いますので…今、一番必要なのは篠原なんです」


「分かりました。お引き受けします」


願ってもないチャンスだ。


これで菫と一対一になれる。


……





菫…


逃がさないからな。

勉強も教えるが…
俺を受け入れさせてみせる。


―――


――





菫が岡野先生に云われて、挨拶に来た。

フッ


何ともいえない顔してる。


一応 毎週金曜日の放課後に補講することにして、課題を出す。


何が何でも英語のレベルを上げて、大学には受からせる。



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