恋人は王子様!?



「聞くところによると、中学の時に両親が海外に行って、その間、知り合いの家に預けてあったらしい。そんな環境の変化や高校受験やなんやらでストレスを溜めてたんじゃないかとご両親は云ってた。本人は気づいてなくても、知らず知らずにな」


「……」


…違う。


俺のせいだ。


俺が菫の心を…体をずたずたにした。


俺を信じきってた菫が、仮に冗談でも、あんな事を聞いたら…


俺に裏切られたと思っても仕方がない。

なのに俺は…


菫が子どもみたいにずっと拗ねてるとしか思ってなかった。


さっきの補講の時、菫が泣いて云ってたこと…


「鈍い…ガキじゃ…ない…よね? 裕ちゃんの邪魔…してる…なら…邪魔って…云ってよ…ヒック…嫌いなら嫌いって…云ってよ…ヒック…そしたら…補講も…断るし…裕ちゃんの…目に…ヒック…触れないよう…する…から…ゥゥウワ―――」


俺に邪魔者と思われてると…


嫌われてると…


再び俺に会ったから、感情が…爆発した。



< 59 / 215 >

この作品をシェア

pagetop