恋人は王子様！？

「先生、お待たせ」

「うん。じゃあ帰ろうか」


「はい」


先生の車に乗り


「…菫ちゃん、大丈夫？」


「えっ？」


「目が赤いよ。蓮見先生に…何か云われた？」


さすが野崎先生、鋭い。


「何もありません。…先生」


「うん？」


「蓮見先生が…ちゃんと謝ってくれたの」


「……」


「もう、大丈夫だから…普通に接することが出来ると思う」

「そう…」


「だから先生も、蓮見先生に優しくしてあげて下さい。蓮見先生は島先生の後輩さんだから…先生が蓮見先生に冷たくすると、島先生が困っちゃいます」


「菫ちゃん…あなたって子は」


「えっ？」


「ほんと可愛い！」

私を抱きしめようとするから


「先生、前見て！運転中です」


「信号待ちだから大丈夫」


そういう問題じゃないと思うんですけど。


「ほんと私が男なら菫ちゃんを彼女にするのになぁ」


「えぇ～！ﾊﾊﾊ…私も先生大好きですよ」

「ありがとう」


家の前で


「ありがとうございました」


「うん、じゃあね」

「島先生によろしくね」


「もう！菫ちゃんたら」


笑いながら車を発進させた。