恋人は王子様!?



「ハハハ…」


「裕ちゃんの意地悪」


「菫の方が意地悪だろ」


「ななんで…私が意地悪?」


「デートもしてくんない。先生って呼ばれる。…触れることも出来ない」


「!先生のスケベ!」


ふふふ…触れることも出来ないって…


何処触りたいのよ?


「菫…お前、また変な風に変換してんだろ」


「…へっ?」


「触れるって…頭撫でたりとかも…駄目なんだろ」


あっ、触れるってそういうことですか。

「…やっぱり駄目です」


「……」


「裕ちゃん、気づいてないかもしれないけど…裕ちゃん、凄く人気あるんだよ。今では、うちの学校の王子様なんだよ」

ほんと、モテるのよ。


「かんけーねえし。俺はお前だけの王子になるつっただろ」

「裕ちゃん…恥ずかしい」


私、顔が熱い。


「菫…」


「ひ、裕ちゃん…だ、だから絶対…学校では菫って呼んじゃ駄目だよ。…頭撫でても駄目…わ、私だって外で…会いたいけど我慢するから」

「俺にも我慢しろってか?」


「う、うん。だ、だってもし、ばれたら…裕ちゃんクビになっちゃうよ?」


「…フッ そうだな」


よかったぁ。分かってくれたみたい。


「じゃあ、そのかわり」


「はい?」


「毎日、電話する。それくらいはいいだろ」


「……」


「菫?」


「わ、分かった」


「ん」


「あ、お母さんが呼んでる。じゃあ お休みなさい」


「あぁ」


電話を切って、下へ―




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