「仲間入り」「敵」

 「ふふ♪」
「それじゃあ、身体の力を抜いて」


タイキはそう言うとあたしの額に手を置いた
そして手から赤紫のような
でも少し濁っているような光が出た

ほんの数秒で終わった


「立ってみて♪」

「…?」

あたしは不思議な顔をした

「良いから♪」

「っあ…」

立てた
自分の足で立ってる

「それじゃあ、付いて来て♪」
「う、うん」

障子だったから和風の家かと思っていたけど
一軒家の一室で
外は都会のようだった
でも地面が見えない


 「うち案内してなかったね♪」
「今居るここが三階の和室」


「タイキはお金持ちなの?」

「え?うん、まぁそんなとこ」
ッハ!
気持ちが言葉に出てしまった

「まぁ、家は後で案内するから付いて来て」


そう言って一階の車庫まで付いていった


「乗って♪」


言われるがまま乗った
運転席には黒いスーツを着た男が先に乗っていた
助手席にはタイキ
後部座席にあたしとナクナちゃん


「これからどこ行くの?」

「実家♪」

「ナクナあそこ嫌いぃ~…」

「出していいよ♪」

「はい」

運転手は暗い低い声で返事を言い車を発進させた


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