ボーダーライン





「ア・ド・レ・ス!間違ってたよ!」



「ああ…やっぱり…?ゴメン!ゴメンな!」



そう言って先生は紙にアドレスを書いて私に渡した。



先生も気付いてたんじゃん。



紙を見ると、この前のアドレスとは全然違う…




と言うよりこれ…



「携帯のアドレス…な。」



ドキッ



「うん。」



携帯のアドレスかあ〜!

なんかドキドキする!


先生のプライベートだあ!



「これはちゃんと合ってるはずだから!!」


「うんうん!…でね?先生、国語の偏差値5上がったよ!!」



「すごいな、よくやったな!」


そのニコッと笑う顔が大好き。



「今日中にメールするね!」


「おう」


「さよなら〜!」


「さよなら〜」



こんな他愛もない会話が、どんどん私の大切な記憶の中にしまい込まれる。



帰り道、紙切れをじっと見つめながら家に帰った。



先生と携帯の機種が一緒だ〜♪なんて感動しながら。







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