男の娘だって狼です【ONLOOKER番外】



(里さん、)

鳴海は、少しだけ顔を近付けた。

触れはしない。
そこまではできない。

でも、せめてこれくらいは、許してほしい。

鳴海は、小さく口を開いた。




――「すきです」




囁くように言ってから、急にものすごく恥ずかしくなってきて、鳴海は急いで立ち上がった。
眠っている里吉にしか、素直になれない自分が、情けな――くなる、はずだった。
しかし。




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