霧の獣

村に戻って




村に戻る様に炎雅に言われた俺は、


ナイフを片手に来た道を帰っていく。



炎雅の話しによると、
俺は幻獣に襲われる事はないらしい。



が、やはりその話しがいくら本当であるとはいえ、
流石にこの暗い森の中を歩くのは不安だった。



俺は村への帰りを急いだ。



村に着くといつもと村の様子が違っていた。



(村中の火がついている?)
俺は滅多に灯されない村の大灯に
火がついていたのに気付いた。



俺は何とかばれない様に村の中に入ると、
夢人を追いかけていった時に開け放って行った窓に
飛び移ろうとした。



しかし、その時不意に俺の背の方から
俺を呼ぶ声が聞こえた。



(見つかったか!?)
俺はドキドキしながら振り返った。



「竜人!お前・・・。」
そこには未夜さんの姿があった。



「未夜さん・・・
夢人が見つからないんです。
知っているところ、心当たりも
殆ど探したんですけど・・・」
俺は今まで夢人を探していたかの様にそう言った。



「とりあえず、君の事も探していたんだ。」
未夜さんは俺にそう言うと続けて言った。


「村長の所へ一度報告に行かないといけない。
君も一緒についてきてくれ。」
と。



俺は黙って頷いた。



そして、俺は未夜さんと一緒に
村長の元へ向かった。








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