カフェオレ
叔父さんから銀のフォークを受け取り、端の方から削るようにしてすくう。
口に含むと、優しい甘さと程よい酸味が広がる。
あぁ、美味しい。
「ねぇ、叔父さん。」
「なんだ?」
「美味しい。」
叔父さんは満足したようにニッコリと笑み、BGMのジャズに合わせて鼻歌を唄った。
この店でジャズを流しているのも叔母さんの趣味。
叔母さんが店番することなんかほとんどないけれど、この店は紛れもなく二人で創り上げたものだ。
叔父さんはコーヒーの豆をミルにかけて挽き始める。