カフェオレ
「素直になることです。」
私の背中をゆっくりとさすりながら五十嵐さんが呟いた。
「今みたいに素直になって、真っ直ぐに向き合いなさい。」
温かい笑顔を携えたまま、五十嵐さんは立ち上がり、叔父さんにお代を払う。
立ち上がった五十嵐さんを私は見上げる。
「でしゃばり過ぎたかな?貴女の幸せ、願っていますよ。」
そう言うと五十嵐さんは叔父さんに軽く会釈し、喫茶店を出て行った。
私の背中にはまだ五十嵐さんの温かい掌の感触が残っていた。