五人の王子に仕えしは
……そして、冒頭に戻るのだ。
後ろを振り向けば、
そこはイケメンパラダイスだった。
「……は、」
思わず口から気の抜けた声が漏れる。
「たかなしれいな……だっけか? 女子とはあんま絡みたくねーし仲良くする気も無ぇけど、奏がお前を死ぬまで苦しめたいっつってたからこれからよろしくな」
その中の一人(髪の毛が焦げ茶だから以下はコゲ君)から、訳のわからない事を言われた。
激しい戸惑いの中、彼の言葉は私の頭の中で反芻される。
よろしく……!?
できれば、こちらもよろしくしたくないんだけど!?
それに、死ぬまで苦しめたいってやっぱリンチなのか……?
「……って、お前さっきの!」
「っえ」
よろしくされたかと思えば、コゲ君は今度は大きな声を出し私を指でビシッとさす。
さっきから不安に苛まれ続けている私はいきなり指を指され、それまたビクリと大きく震えてしまった。