ナルシストの華麗なる恋愛講座


いつも私に付きまとう、女子以外の“一部”の人間。

持っていたバッグで頭を叩けば「この美しい僕をなぐるなんて…!」と驚愕していた。

アホだ。


「いっつもいっつも…、ついてこないでよ邪魔だから」

「なぜだい?僕と一緒にいるのは嬉しいだろう?なんせ僕は美しいからね!」

「アホだ」


うっとりとした表情で手鏡にうつる自分を見るコイツは、成瀬 風(ナルセ フウ)。

確かに綺麗な顔つきだ。


肩につくまで伸ばしている、優しいミルクティー色の柔らかな髪に

二重で、少し色素の薄い目。

スッと通ってる鼻に

173㎝という、程よく高い身長。


―――芸術品だ、と思った。


中身は酷く残念だったが。


「…自重すればいいのに」


本当に
そしたら、今は敬遠しているみんなも、アンタの所にいくのに。



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