コルニクス

さっきの男性の会話で出てきた人。

「いや、特に心配してたってさっきの人が言ってたから…」

「うん。いい人だよ。俺の直属の上司でさ、」

怪我人が懐かしむように、微笑み溜息混じりで話し始める。

「俺より階級が3つも上なのに上官権限とか振りかざさないし、振り回すこともないし。

初めて会ったときとかさ、話す内容が見当たらなくて、『出世続きですごいですね』って声をかけたんだ。

そしたらさ、あの人、『この出世はそれだけ人を殺してきたってことなんだ。そんな威張れるもんじゃない。』って言ったんだよ。

その時、かっこいいなって、俺この人について行こうって思ったんだ」

周りから「へぇ~」と声が上がる。

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