コルニクス

その"やばい"の正体は。

黒々とした鋭い殺気を身に帯びて、
さっきクロが叩きつけられて外れた食堂の扉の上に立っている男性だった。

知ってる、この人。

元帥だ。

ルナ・ファミリアの長で、クロの父親であるファタ・モルガナ元帥。

元帥の顔は深く皺が刻み込まれ、紅潮し、血管すら浮き出ていて、眉が45度に吊り上がっている、
怒りをあらわにした状態で、

目は、見たものを石に変えてしまいそうなほど鋭くぎらぎらしていた。

その様子は私が震えあがって、動けなくなってしまうくらい恐ろしかった。

元帥は床を蹴ったかと思うと、疾風のごとく広い食堂を縦に突っ切っていった。

今、消えたように見えた。

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