コルニクス

いつからそこに立っていたか分からないほどで、地味に驚いた。

クロが振り向くと、元帥が話す。

「セルというのはどちらだ」

「え、なんで」

クロが元帥の質問に答えずに聞き返す。

え…、私?

「お前が謝れと言ったのだろう」

「ああ…」

クロの右手の指5本が私に向かい、元帥に示す。

「彼女がセルリアン。シアンさんとインディゴさんの間に生まれた娘で、土を枯らす足を持っている」

…ん?

なんでクロが私の両親の名前を…?
言った覚えはないけど…。

そんなことを心の中で呟いていると、
ドンッという音と共に元帥がテーブルに身を乗り出してきた。

予想外の行動に驚き、思わず仰け反ってしまう。

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