高天原異聞 ~女神の言伝~

 驚いたように一瞬強ばった身体が、すぐに自分を引き寄せる。
 横たわる身体の上に自ら馬乗りになり、何度も何度もくちづける。
 すぐに開いた唇に舌が入り込んできて、深いくちづけに酔う。
 舌が絡み合い、執拗に貪られ、息もできない。
 必死にくちづけに応える間に、夜着の合わせをはだけられ、露わになった肩から腕へと薄絹が落ちる。
 両手をついて身体を支えているため、淫らに動く手を止めることはしない。
 くちづけとともに、白く美しい乳房を大きな手がそっと揉みしだく。

「ぅ、ぁ……はぁ……」

 くちづけの合間に漏れる声。
 呑み込むように口腔内を蹂躙され、敏感な胸の先端を弄ばれ、身体の力が抜けていく。
 反対に、くちづけるごとに蠢く手は淫らになる。
 息もできなくなるほど執拗に貪られ、すでに、唾液は何度も飲み込まれた。
 自分の体液は、神々の癒しとなる変若水《おちみず》となるのだったと、ぼんやりと思った。
 ようやく唇が離れ、喘ぐように息をする。
 だが、下に組み敷いた身体は、今度は首筋を這い、鎖骨を舐め、最後は滑らかな乳房を味わいながら、桜色の小さな先端に吸い付いた。
 その甘美な痛みにも似た疼きに、思わず背が仰け反る。
 離れた身体を罰するように、今度は引き戻され反対の先端を舌で嬲りながら吸われる。
 先ほどよりももっと強い刺激に喘ぐ声が抑えられない。

「あ、あぁ……っ」

 身体を支えていた手が震え、がくりと肘がつくと、腰に回っていた左手があいた乳房をまさぐりながら濡れた先端を指で転がすように揉み込んでくる。
 同時に与えられる刺激は、足の付け根のさらに奥を熱く疼かせる。
 触れられていないのに、腰が揺らめく。
 帯から下の合わせは跨っているせいで大きく開き、傷一つない膝が露わになっている。
 このまま腰を落として擦りつけたい衝動に、唇を噛みしめ必死で耐える。
 だが、右手が合わせの奥の内腿を下から上へとなぞりあげると、堪えきれぬ疼きに悲鳴のように啼いた。

「ああ、あっ、だめ――」

 すでに濡れそぼっていた女陰の襞をぬるりと撫でると、そのまま指が奥へと入り込む。
 抜かれる刺激にわななくも、今度は二本入ってくる。
 内部を抉るように擦られる甘い責め苦に何度も何度も悶えた。
 まだ誰も知らぬ内部は、しとどに濡れ、蠢く指を淫らに呑み込む。
 三本目を呑み込んだ時、あまりの愉悦に入れられただけで達した。
 内腿がびくびくと震え、時折快楽の余韻に指を締めつけながら、今までに感じたことのない激しい感覚に呆然とする。
 女体で受ける快楽の凄まじさに、いつしか胸への愛撫がやみ、指が抜かれていても気づかなかった。
 我に返ったのは、先ほどまで指を受け入れていた女陰に、もっと熱く太いものが押しつけられた時だった。
 ぬめりを移すように擦りつけられた欲望の証に、思わず上半身を浮かせるも、いつの間にか合わせの隙間から回り込んだ両手が、柔らかな尻を掴み、ゆっくりと下へ落としてゆく。

「あ、あ――――ぁ」

 腰が最後まで落とされ、奥まで貫かれる。
 痛みと、それ以上の快楽に身を捩る。
 それを合図に下から激しく突き上げられる。
 後はただ両手をついて激しく揺さぶられるままに従う。
 持ち上げられては落とされ、指よりももっと熱く激しい欲望のままに犯される。
 淫らな水音の合間に、嬌声が途絶えることなく続いていった。






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