嵐の日から(短編)
気が付つくと、ベラトリスは浜辺の前に立ち尽くしていました。
不思議なほどあたたかい雨のしずくが身体をうちます。
スカートは足の周りでパタパタとはためきました。
グシャグシャの手紙を握りしめたまま、彼女はしっかりと目を閉じます。
当たり前ですが、真っ暗な世界には風と雨の音が聞こえるだけです。
―――…本当に今、嵐の中にいるんだわ。
まるっきり希望なんてない。
私を守ってくれる家も、過去の思い出も…音を立てて崩れていくのがわかる…―――