先パイとあたし

「先パイね、昔は遊び人だったんだって。
すぐに女変えて。めんどくさかったって。
1人の女に縛られるってことが。
あたしのことも初めは...遊び、だったって...」

自分の声が、どんどん震えていくのがわかる。

「もう、何も信じられなくなっちゃった...。」

どんなに泣いても、涙は枯れないんだね。

あたしはまた泣き崩れた。

そんなあたしを、柚葉と璃桜さんが支えてくれた。

どれだけ時間が経っただろう。

あたしは落ち着くまで泣き続けた。

「2人とも迷惑かけてごめんなさい。」

「ごめんね、あんな弟で。」

そのあとも、3人で少し話をしてから家に帰った。

あたしはやっぱり許せなかった。

どうしても...





< 98 / 280 >

この作品をシェア

pagetop