キミのとなり。
半信半疑
「ただいまぁ~。」


疲れた身体で玄関に入るといつものようにタマが私を出迎えた。


「ただいまタマ~、お腹減った?」


タマを胸に抱きリビングへ入る。


仁は確か今日は歌番組の収録だったな。


その後、メンバーで飲むみたいな事言ってたしまた遅いんだろうなぁ。


御飯食べてお風呂に入って先に寝ちゃおっ。


私の予想通り、その日深夜まで起きていたけど仁は帰ってこなかった。



――翌朝、



ピピピピッピピピピッ…


目覚ましの音で目を覚ます。


あぁ~また熟睡できなかったなー。


ググッと伸びをしながら隣に目をやる。


ん?


あれ?


そこに仁はいなかった。


おかしいなぁ。帰って来たの全然気付かなかったな。


パジャマのままリビングへ向かう。


テーブルの上もソファーの上もどこを見渡しても昨日のままだった。


それを見て仁がまだ帰っていない事に気付く。


そばにあった携帯を手に取った。


仁に連絡してみよっ。


昨日相当飲んだのか、どこかでメンバーと酔い潰れてるに違いない。


そう思って仁の携帯に電話をかけた。


プルッ…プルルルルップルルルル…


待つこと10秒。


仁は出ない。


もしかして急な仕事でも入ったのかな?


そう思って電話を切ろうとした時だった。


ガチャッ


仁が電話に出た。


慌てて切り掛けた携帯を再び耳に当てる。


「もっ…もしもし?」


『……。』


仁は電話の向こうで無言だった。


そういえば、昨日もこんな事があったなぁ。


「もしもぉし?聞いてる!?」


少し強気でそう問い掛けると、電話の向こうで微かな声がした。


『んっ…んん~…』


まさに寝起きのような声。


しかし、それは明らかに仁のものではなかった。





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