キミのとなり。
「じゃー私、彼女に立候補しちゃおっかなぁ~。」


でたっ!


ったく、軽いんだから。



「いや~彼女はいないんっすけど、候補はいてるんで…」



と言いながらちらっと私を見た。



「……。」



「え~何それ!?」



「告白して、返事待ち。」


説明しなくていいしっ!



「何それ~こんなイケメンを待たせるなんて!!女の顔が見てみたい!!」



冷や汗が出た・・・。


「ほっほら!若菜ちゃん時間やばいよ、急がないと。」


「あっ本当だ~今日朝一で朝礼があるんだった!じゃー先輩、また!!」



そう言って急ぎ足でかけて行った。



「………。」



「………。」



なんか気まずい。



「俺、あの人苦手…可愛いけど掴み所ないっていうかー」



だいたいみんなそう言うんだ……。



「っていうか、余計な事言わないの!」



「え?何が?」



「あの子はただでさえ口が軽いの!だから変な事話さないで。」



「別に変な事ちゃうやん。ただ俺が先輩に告っ…」



「ダァーッ!!」



「なっ…なんやねん。」



「社内でその話しは厳禁だからね!!」



そう釘を指すと、早足でオフィスへ向かった。



・・・危ない危ない。



もし、桜井君とのことが噂にでもなったら仕事しにくくて仕方ないよ!



私がデスクにつき、しばらくしてから桜井君が遅れてオフィスに入ってきた。



極力目を合わさないでいよう…。うんうん。



パソコンを開くとメールが一件入っていた。



まさか……?



と思いつつ、メールを開く。



桜井君は正面で知らん顔している。



“カチッ”



“From弘人”



あれ?弘人だ。



“昼休みに渡したいものがあるから屋上に来て!”



渡したいもの?



なんだろう。

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