キミのとなり。
「ただ、ありがとうと言いたい。」
それから一ヶ月が経った。


当たり前のように、私の隣にはいつも無邪気な笑顔の桜井君がいる。



人の噂は恐ろしいもので、私達の関係がみんなに知れ渡るまで一週間もかからなかった。



毎日のように若菜ちゃんから妬みのメールが来る事は言うまでもない。



こんな風に少しづつ、周りも時間と共に変化してゆく。



仁とは、あのお墓参り以来会っていないけどテレビを通して頑張っている姿を見ていた。



夏の全国ツアーも無事終了したようで、また人気アーティストとして一皮剥けたようだった。



生放送で失敗するような事も、もうなかった。



やっぱりプロなんだって……少し寂しい気もした。



私達は、お互い別々の道の上を歩き出したんだ。



その道が交差することは、


きっともうない……。



< 389 / 554 >

この作品をシェア

pagetop