赤い狼と黒い兎
…はぁ。溜め息しか出ない。
『…とりあえず、ありがと』
「〜〜っ馨ーッ」
『だから抱き付くな!!』
瑠宇め、完璧復活したら覚えとけっ
ガラッ!!
「馨…!」
「馨ちゃん!」
今度は春架たちのお出ましか…。
あたしを見た瞬間みんな涙目。
うわ、だから泣くなって…!
「起きたぁー…っ」
「やっと…やっとぉ…」
「「馨が起きたぁ…ッ」」
…ちょ、大袈裟な。
すると春架が涙目ながらも、あたしのところに来た。
「…ご無事で、何よりです」
『!』