水に映る月
 

「降りるわ!電車で帰るし!」


あたしは身を乗り出して、運転席の男に怒鳴った。


許容範囲内なら誰とでも、だけど、許容範囲を越えてる。

仮に、そうじゃ無かったとしても無理矢理は本意じゃ無い。


なのに、あたしを無視して


「出してや。」


と、ヤンキー男が運転席に向かって言った。


フロントミラー越しに、運転席の男が頷くのが見える。

無表情なイヤな顔。


車は、夜の街を走り出した。


 
< 13 / 370 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop