水に映る月
 

清香も助手席に座ったのかな‥?



ふと、そう思って、嫌なキモチになった。

なのに、そのことに触れるのが怖かった。


車は、エンジンが掛かったまま。

サイドブレーキを下ろし、シフトをドライブに入れて、慧はアパートの前から車を出した。



「純ちゃん、スネてたんか?」


不意に、訊かれて戸惑った。

なんて答えればイイのか、分からない。


黙り込んでいると、彼は


「昼前にメールくれてたやろ?返事出来んかって、ごめんな。ちょっと、急用あったからな。」


と、言った。


 
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