水に映る月
 

ユーナさんは胸元に手をやり、首に掛かったシルバーのチェーンを指で摘まんだ。


チェーンの先に、スペードのペンダントトップが揺れている。


あたしは小首を傾げて、彼女の指先を見ていた。


「スペードには、剣とか騎士って意味があって、このネックレスには自分と戦えって‥。そーゆ意味が込められてるねん。」


「自分と‥?」


「うん。弱い自分に負けないように。流されないように‥って。だいすきな彼からのプレゼントなんやけどね。」


答えると、彼女は背後を振り返り、壁に掛かった大きな家族写真を見つめた。


「シアワセなんですね。」


感じたままを言葉にした時、ユーナさんは振り向いて、優しく頷いた。

そして、真剣な目で、あたしを見つめた。


 
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