ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
「食堂は階段を下りて廊下を左にまっすぐ行った突き当たりだ。すぐにわかる」
それだけを言うとユウはフジオミに背を向けた。
ドアを閉めかけるユウに、
「君は僕が嫌いらしいね」
フジオミが言う。
「――」
振り返ったユウは不機嫌そうにフジオミを見返す。
フジオミは肩を竦めて微笑った。
「顔に書いてあるよ。マナが好きだから近寄るなって」
ユウの顔がさっと赤らんだ。
「そんなこと、あんたに関係ないだろ!!」
笑いを、フジオミは押さえられなかった。
感情を隠せない少年を、フジオミは少々からかってやりたくなった。
悪い癖だ。
これだからシイナにも煙たがられるのだと、フジオミは思った。
「君は自分のことをどれだけ知っている?」
ユウは答えない。
「――」
「君とマナが遺――」
「言うな!!」
ユウの叫びが、フジオミを遮る。
その眼差しは、今にもフジオミを射殺してしまうくらいに鋭かった。
「そうか――知っていたのか」
本当に、悪い癖だ。
フジオミは自嘲する。
自分は彼の一番痛いところをついたのだ。
「――言わないよ、マナには」
さらりと、フジオミは言った。
ユウは怪訝そうにフジオミを見つめている。
感情を隠せないユウを、フジオミは好ましく思った。
なぜかシイナに似ているとも、思った。
「言ったから、どうなるわけでもない。惹かれる心は止められない。君がそうであるように」
「――」
「僕と君が、逆の立場だったらよかったのに。そうすれば、お互いに、もっと自由に生きられた。僕は君が羨ましいよ。本当にね」
「あんた、何を――」
戸惑ったように声をかけるユウに、フジオミはあいまいな笑みを返した。
「さあ。マナのところに行くんだ。僕にとられたくなかったら、しっかりとマナを捕まえておくことだ。人の心だけは、努力ではどうにもならないから。僕はしばらくここで休んでいる。食事はいらない。行きなさい」
戸惑いながらも、ユウは言われた通り部屋を出た。
フジオミは足音が遠ざかっていくのを確かめると、ゆっくりと窓辺へと向かった。