ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

「マナ、どうした!?」
 強い思念に呼ばれて、空間から不意に現われるユウは、切迫したマナの声音に戸惑っているようにも見えた。

「来て、ユウ、今しかないの!!」

 手を伸ばして、マナはユウに叫んだ。
 それに応えるユウの大きな手を、マナはしっかりととらえた。
 触れた瞬間、ユウは感電したかのように身を震わせた。
 そして気づく。
 マナを通して、ユカに触れていることを。
 その心に、触れていることを。
 初めての感覚に無意識に身をひきかけるその手に、マナはありったけの想いをこめた。

 今感じているものが、真っすぐに、正直に、ユウに届くことを願いながら。

「マナ――」
「ユカの心よ。あなたへの想いよ。今しかないわ。受け取って」

 触れた肌から伝わる、確かな感情。
 伝わる愛。

 涙がこぼれる。

 見失い、求め続けた愛が、還っていく。

 愛されていたのだ。
 今も、少しも変わることなく。

 ユカの想いに融けて、ユウの想いもまた、彼女に還っていく。
 あふれる涙を拭いもせずに、ユウは一言、呼んだ。

「…かあさん――っ!!」

 虚ろな瞳が、一瞬だけユウに向かって焦点を結んだような気がした。
 唇が、かすかに笑みを刻んだような気が、した。




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