ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~
「――」
カタオカは、フジオミがシイナに特別な想いを抱いていることに気づいていた。
だが、フジオミ自身がそうと気づくのを、望んではいなかった。
シイナが胸の内に抱えているこの世界への嫌悪を、十分に理解していたからだ。
彼女は何も愛せない。
それどころか、全てを憎んでいる。
そんな人間を愛して、幸せな結末が待っているとは思えなかった。
現にフジオミはこんなにぼろぼろになって自分のところへ来たではないか。
「マナを愛することは、できないのだろうな……」
「できません」
即答に、カタオカは大きく吐息をついた。
フジオミの言葉には、強い意志が感じられた。