ETERNAL CHILDREN ~永遠の子供達~

「ダクトの中に生体反応がある?」
 シイナはその報告を受けた時、一瞬、ユウが生きていたのかと思った。
「データをよこして」
 すぐにコンピュータでダクトの見取り図が表される。
 赤い点滅が生体反応だ。
 ゆっくりではあるが、管理区域を進んでいる。
 入り込んだ時点で追跡されているのにも気づいていない。警報が鳴らないのは、うまく警報装置がある場所を迂回して進んでいるからだ。
「警報装置のある場所を迂回しているとして、どこに向かっているの?」
「おそらく、1階の倉庫に向かっているのだと思われます」
「倉庫?」
 外からの侵入者でなく、居住区にいるマナを狙っているわけでもない。
 これでは、中から外に出て行こうとしているようだ。

「まさか、マナ……?」

 その時、彼女等を照らす明かりが消えた。
 続いてけたたましい警報が、鳴った。



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