誘拐犯は…神様だったのです!

甘いキス





―――――……
――…






『おばぁ…ちゃ…ん…熱いよ…苦しいよぉ…』


『大丈夫よ、凜…私が傍にいるから』



小さい頃…熱を出した


まだ小学生の低学年のころ…友達と学校の帰りに水遊びをしてそのままろくに髪も身体も拭かずに家に帰り



夜になって、高熱を出した…


苦しくて、辛くて…なかなか寝付けなくて…無意味に涙を流した



『…うっ』


『ほら、凜…泣いちゃだめよ?凜の身体が悪いバイ菌さんと戦ってるんだから』


『だ…って…グスッ』


『ふふ、ほら…泣き止んで』


少しシワシワだけど、不思議と艶のある手で涙をふくとおばあちゃんは私の額に手を添えた


ひんやりとした…おばあちゃんの優しい手…


『冷たい…』


『ふふ』


『あ、でも…暖かい』


『あら、冷たいのに暖かいの?』


クスクスと笑うおばあちゃん



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