恋と上司の甘い相関関係

あの日以来、あたしは部長と結城さんをつい目で追うようになってしまっていた。


もちろん二人は何事もなかったように“上司と部下”として接しているけれど。


今も結城さんは部長のデスクに向かい、資料を渡して何かを話している。



「ねぇ千葉ちゃん…」


「んー？」



あたしはそんな二人の様子を密かに伺いつつ、隣でパソコンとにらめっこしている千葉ちゃんに声を掛けた。



「澤村部長と結城さんって…どんな関係？」



特に何も考えず、ストレートに聞いてしまったあたし。


千葉ちゃんはパソコンを打つ手をピタッと止めると、あたしの方に顔だけ向けてニヤリと笑った。