恋と上司の甘い相関関係
「…な、な…ん……」



『何で?』と聞きたいのに声も出ない。


ギギギ、と音がするかと思うほどゆっくり首を動かして、この意味不明な行動をする男を見やった。



またからかわれるのだろうか…と思ったけれど、予想に反して彼の横顔は何やら真剣で。


そんな表情も、動きだすプリンターの音も、あたしを徐々にキスの余韻から醒めさせていく。


そして、印刷された紙を集めながら拓海さんが口を開いた。



「…俺もさ、部長になった頃はよく陰口たたかれたり、周りの風当たりは強かったんだよ」


「えっ……」



それはまたしても意外なことで、あたしは一気に冷静になった。


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