恋と上司の甘い相関関係
バサッとコピーされた資料をデスクに置く音。


そして、またふわりと香る彼の匂いと、頬と髪をくすぐる骨張った温かい手。



「……雅、顔上げて」



そんな甘い声で囁かないでよ。


あたし自身も知らない、“オンナ”の部分が疼きだすのがわかる。



「拓海さ──ッ…」



すぐ間近に迫る彼を拒もうとしてみるものの、そんな抵抗は本意ではなくて。


再び重ねられた唇の熱に、あたしの力はすぐに抜けてしまった。



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