恋と上司の甘い相関関係
そんなお怒りの言葉が飛んでくるのを覚悟して、ギュッと目を閉じていると…



「お前、ついこの間異動してきた相川だろ?」


「はい、そうですけど…」


「異動したばっかで疲れてんじゃねーか?無理しないで早く帰れよ」



部長は手に持っていた資料で、あたしの頭をポンッと軽く叩いた。


……あらッ??



「…お、怒らないんですか?」


拍子抜けしたあたしは、素直に聞いてしまった。


すると彼は、


「俺だって仕事してんのに、人のこと怒る筋合いないだろ」


と言って、鬼とは程遠い王子様のような笑みをフッと零した。


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