こちらミクモ探偵事務所3



林は真っ暗だった。
街灯が一つもない。

紘哉はポケットから携帯電話を取り出すと、足元を照らして歩みを進める。

そして。

「……見付けた……」

白くてボロい蔵。
窓もなく、密室状態に近い。
恐らく、あの中に夏紀がいるのだろう。

紘哉は蔵の扉に近付き、取っ手を引いた。
鉄の取っ手がヒヤリとする。

そして彼は扉を全開に開けた。

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