こちらミクモ探偵事務所3
電話の向こうから不規則な息遣いが聞こえてくる。
もう一度呼び掛けようとしたその時。
『――紘哉、今から来て欲しい場所がある』
さっきとは打って変わって真面目な声。
その雰囲気に気圧されつつ、彼は冷静に訊く。
「来て欲しい場所?」
『あぁ。出来れば、春野さんと夏紀ちゃんも連れて来て欲しい』
「で、どこなんですか?」
『――だ』
場所を聞いた瞬間、紘哉の背中に嫌な汗が流れた。