こちらミクモ探偵事務所3

「紘哉さん、眉間のシワがマリアナ海溝よりも深くなってる」

「うるさい。どんな表現の仕方だよ」

そう言いつつ、彼は眉間を人差し指で触った。
自然と顔が険しくなっていたらしい。
マリアナ海溝とまではいかないが、そこそこ深くシワが刻まれていた。

「紘哉さんってさ、『黒蜜会』の名前聞くと顔が歪むよね」

「……そうか?」

「うん。すんごい苦しそうな顔してる」

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