モチのつく、アレですか?
********


それからしばらくして、例の如く、彼からのお呼び出し。

毎回毎回、彼女でもない私に、律儀に時間を割いてくれる君が愛しいです。





他愛のない会話の途中、ふとこのまえのことを思い出した。


「あ、ねえねえ、聞いて聞いて〜」


「ん? なに?」


コーヒーを飲みながら、彼は優しく微笑みながら私に話を促す。



「この前ね、すれ違いざまに、ほっぺにちゅーされたの!」



ぴたり、彼の手が止まる。


驚いたように、眼を見開く。



「……は? 誰に?」



ゆっくりと言ったその声は、いつもより少し低くて、なんだか怖かった。


……なんか、怒らせた…?



「あ、いや、勿論女の子だけどね!」


慌てて付け加えると、それを聞いた彼は、さっきの空気から一転、なんとなく安心したようにふわりと笑って、


「愛されてんね」


と言った。







……あの、今の、


これって、


もしかして、


俗に言う、



*モチのつく、アレですか?*

(そうだったら、いいのにな)
< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

今日は、いい天気だ。
キリナ/著

総文字数/1,098

恋愛(その他)4ページ

表紙を見る
部活後サイダー
キリナ/著

総文字数/450

恋愛(その他)1ページ

表紙を見る
とても微かな愛の言葉を。
キリナ/著

総文字数/3,461

恋愛(実話)15ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop