久遠の花〜 the story of blood~
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昔、おばあちゃんから言われたことがある。
“月があるから、この花は咲くのよ”
あれは、どこの景色だった。
一面花畑で覆われた場所で、おばあちゃんは言った。
雪のように白くて、触れれば溶けてしまいそうな、小さな花。一番近くにある花を一つ摘むと、おばあちゃんはそれを私に手渡す。
“大きくなったら、必ず来なさい”
どうしてと理由を聞いても、おばあちゃんは答えてくれない。ただ笑って、今はまだいいのよと言うだけ。
その日の月は、とても綺麗だった。
大きくて、キラキラ輝いてーー。
ーーーーでも、これはきっと夢だ。
あんなに綺麗な月夜は、あの日以来見ていない。それにーー。
青い月なんて、在るはずないんだから。
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